夕方、刑事が二人うちにやって来た。世田谷一家殺人事件で近所をローラー作戦、シラミつぶしに聴き込み調査しているらしい。
というわけで、事情聴取初体験。
調査されてみると、オレったら犯人像に極めて近いではないか。身長１８０cm、足のサイズ２８cm、「足、大きいですね、何ｃｍですか？」　おいおい、疑うのかよ、オレを。唯一あきらかに違う血液型も証拠になるものがない。だいたいミュージシャンっていう職業も刑事からすれば怪しい職業なのかも。勤め先の住所も無いしな。それに作業部屋にあたる窓は防音マットで完全に塞いでいるのだが、これがまた見た目がかなり犯人感ある怪しい感じなんだよな。
「事件はどうやって知りましたか？」「あの家族、もしくは家族の知人を誰か知っていますか？」「音楽というのはどのような音楽ですか？」「ギターは何本くらい持っているんですか？」と、関係あることからないことまでいろいろ聞いて、オレの目の動きを真剣に見ている様子。「ちょっと手を見せていただけませんか？」「あ、いいですよ。」　へへ、手に傷なんかないもんねーだ　…って、おい、マルオにやられた引っ掻き傷が残っとるやんけー！「あ、あ、これは猫にやられたやつですから…」　なんかドラマで犯人じゃない人が犯人にされていく感じになってきたぞ。手のひらを真剣に見つめる刑事。どうやら指紋をみている様子。そこでこっちから「なんだったら指紋採ってもいいですよ。」と言ってみる。「あ、そうですか、すいませんね、じゃ、一応念のために採らせて下さい。」
というわけで、両手の指紋を隅々まで採られることに。朱肉は使わず無色透明な液体。紙との化学反応で後から指紋が浮かびあがる仕組みになっている。「手が汚れると指紋を採るのになかなか協力してくれないもんですから」。なるほど。でもその液体、手が油臭くなって、しかもしばらくとれなくて困った。
しかしなんだ、調査されていくうちに自分が犯人かもしれない気がしてきた。いや、それは大袈裟だけど、よっぽど気の弱い人なら犯人でないのにオドオドしてきてもおかしくない。そんな不思議な気分になった。オレも何故かいつもより妙に饒舌になり、「犯人の目的はなんだったんでしょうねえ？　しかし、ほんと早く捕まるといいですね〜」なんてことを喋っている。これって、よくワイドショーで犯人が何食わぬ顔で言っているセリフだよな。最後になって去年内視鏡を飲んだ時に血液検査をしたことを思い出し、「あ、そうだ、血液型ですけど、○○病院に行けば僕の血液型も分かるはずですから」なんて釈明までしだす始末。「いやいや、大丈夫です。話し方を聞いていれば犯人でないことはすぐ判るんですが、一応、上の方からの命令でちゃんと調書つくらないと怒られちゃうもんでしてね。」　うー、ならいいのだが、また改めてコロンボみたいにしつこくやって来ないでよ。
でもさすがに「事件のあった夜、近くの３軒のコンビニの防犯カメラに僕が映っているはずですけど、それは甘栗を探していただけですからね」なんてことまで釈明するのはやめておいた。そんな妙なこと言ったら誤認逮捕されてもおかしくない。

ところで明日から北海道ツアー。これもまた怪しい行動だ。

バッシ、バッシ、抜歯に続いて抜糸。実は抜糸も意外に痛いのかな〜なんて小心者風吹かせていたのだが、案ずるに及ばず、これまた手品のようにあっという間に終わってしまった。この歯科医は手品なような処置がウリなんだな、たぶん。しかし、現代技術では糸が自然に溶けてくれたりするのかと思っていたがそうでもないんだな。

チョッキン、チョッキン、久しぶりに地味〜な内職。この地味さがたまらなく好きだ。しかもこの作業をやる事でコピー代が半額で済むかと思うとすごく充実した気分になる。がしかし、こんなことで至福を感じてていいのか？　オレ。

うちにあるちょっと意外なモノ　その１: ペーパーカッター

親不知を抜いた。
先ずはガーゼに染みこんだ塗るタイプの麻酔。ちょっとおいて注射を３本。２本目の外側の歯茎に刺したやつはちょっと痛かった。麻酔が効くのを待ったが、完全に効いていないようで虫歯を刺激するとまだ痛い。「お、効きが悪いね」と先生。そこで改めて塗る麻酔。完全に麻酔が効いたか分からぬうちに、「痛かったらすぐ言ってね」と言われ治療スタート。と思いきや、歯に糸を巻き付けはじめる先生。（おいおい、今時糸で引っぱって抜く気かよー。随分荒手なやり方だなー。）と思っていたら、「これを…」と、丸まったガーゼを手渡される。（ん？これを握りしめて痛みをこらえてろって意味か？）と思ったら、「プレゼント」と先生。ガーゼの中を見ると虫歯でボロボロになった親不知が一本。あれ〜、いつの間にか抜けてたのね。そうか、さっき糸を巻いていたと思っていたのは既に抜歯後で歯茎を縫っていたのだな。ふむ。しかしいつの間に抜いたんだろ。ほんとあっという間だったな。まるで手品みたいだ。

というわけで、僕の親不知は素直な生えっぷりだったらしく、抜歯は簡単で事なきを得た。問題は麻酔が切れてからだ。今のところ頬が腫れたりすることはなさそうだが、やはりちょっとズキズキする。アフタもそうだが自分は自己治癒力が弱い気がするので、それがちょっと不安である。

一年ほど前から患っていた左下の親不知がマジで痛くなってきた。昨日、今日は寝てられないほど痛かったので、ちょうど虫歯で空いた穴の部分に正露丸を詰めて寝た。おかげで一日中口の中が正露丸臭い。こりゃ、そろそろ観念して歯医者に行かんといかんなー。しかし、こう見えてもワタクシ、しがない笛吹き楽団の一員なので、歯を抜くってことになると時期を選ばないといけないんだよねー。これからツアーが２本も続けてあるしな。まいったな。おまけに今、アフタ５号が口の中で猛威をふるっていて、これまたスゲー痛いのだー。笛なんか吹いてらんないよなー。イテテテ。

教壇への訓　5時限目

んがー！！　今度はＴさんが退会…。ショボショボ。まだレッスン始めて一月しか経ってないのにー。ギターも買ったばかりなのにー。もったいない…。というか、こんなもんなのか？　お稽古ごとって。２，３割りの人が最初の１，２ヶ月で「やっぱり自分にはむいてない」とか言って辞めていくらしいことは話に聞いていたのだが…。こんなもんかもなあ…。　ん？待てよ、ひょっとしてオレの教え方がまずいのか…？　ドキッ！　…うむー、それにしても地味だなー。地味すぎる…。
…と、思っていたら来週また新たに体験レッスン希望の人が…。今度の人はどうだろなー？　気を取り直して頑張らなくては。

毎年この時期だけはサラリーマンっていいなあと思う。だって自分で確定申告しなくていいんでしょ？　…というわけで今年も最終日に提出してきた。ふー。最終日だと税務署のチェックが甘くなりそうな気がするので毎年提出は3/15と決めている。ただ今年はどっちみち赤字申告なんだよねー。別にズルしてないのだが…。マジで赤字。というか、去年の一番の取り引き先だったレコード会社が倒産したので、そこで稼いだ分の支払い調書がもらえなかったのだー！　150万円分ほどね。これってどうなのかなー。なんとかならんのか？　おかげで春のボーナス還付金も今年は随分減っちゃうよー。泣き。

アニメ「キョロちゃん」でアフレコやって来た。
あー、面白かった。
声の仕事は昔ボツになったPENTAXのカメラのCFも含めるとこれで３回目。今日のはシチュエーションがそれっぽくてよかったなー。なにせスタジオの中で周りにいるプロの声優さん達に交じって、片手に持った台本越しにTVモニターなんぞ見ながら、キャラの口の動きに合わせてライブ形式で録っていったのだー。最初はこんなやり方して皆さんの足を引っ張らないか不安だったが、いざ録り始めると、みんなすごくいい人で、タイミングなんか指導してもらったりしつつ、いたってなごやかな雰囲気。
キョロちゃんやらパチクリくんやらの声が周りで生で飛び交っている感じが楽しかった。とくに僕はミッケンくんのファンなので生ミッケンを間近で聞けて感激（ハート）。
しかし、当たり前だけどプロの声優さんはさすがプロだなあ。声質、声量、発音、間の取り方、感情表現、どれをとっても安定したクオリティで終始感心しっぱなしだった。特にガヤ（会場のシーンなどで大勢でガヤガヤ言うやつ）を録るのがすごく上手くて妙に感心してしまった。
スタジオの進行自体もよどみなく進んで実にプロフェッショナル。いつもいる音楽の現場と違うから新鮮だというのもたぶんにあるのだろうが、録った音をプレイバックしないでどんどん進んでいくのにはちょっとカルチャーショック、というか驚いた。
音楽の現場もプレイバックとか一切聴かずに録音していったら、時間も短縮出来るし、かえって面白いもん作れるのではないか？　そんな気すらした。

ちなみに今日収録した「キョロちゃん」第９１話A「フエフエ音楽会」は、なんと栗Ｑの関島岳郎、脚本！
放送日は３月２９日（木）　午後６時　TV東京系　クエッ！

うわ、随分さぼってしまった。２週間ぶりだー。w.memo始まって以来の休息。と言っても本当に休んでいたわけではなく、すごく忙しかったのだスー。何がそんなに忙しかったのか、あとでこれを見てメモ代わりになるように書いておくのだが、

・栗Ｑサードアルバムのミックス、マスタリング。
・あがたさん「COBALT TARPHONIC 第二集」の録音、ミックス。
・あがたさんベストアルバム用のリミックス。
・ＤＭ制作
・ギターレッスンと体験レッスン
・栗Ｑジャケ写撮影
・高田渡さんの録音
・栗Ｑインストアライブ

あれ、書くとそうでもないな。（…）
ただ、ひと言に録音と言っても、例えば高田さんの録音はスタジオに呼ばれて演奏するだけだったので、時間もそうかからなかったのだが、あがたさんでいう録音は、自分ちでほぼ自分一人で演奏から録音、編集、ミックス、その他全部やったので、かかる時間が全然違うのだ。おまけに一人でやると時間の制限なくずーっとやってしまったりするからなあ。あがたさんの歌を何回聴いたことやら。（ちなみに「COBALT TARPHONIC第二集」は歌＋稲垣足穂の随筆を朗読、２０分近い作品）

それから繰り返し聴いたと言えば、栗Ｑの次のアルバム。これも自宅でマスタリングしたので何度となく聴いてしまった。この２週間はあがたさん栗Ｑ、栗Ｑあがたさんって感じで二つの音楽がうちの中で超ヘビーローテーション。オレったら仕事遅いのかなー。うすうすは勘付いてたんだけどねー。なにせ起きてから寝るまでずっとやってたりするからな。嗚呼、妻よ、収入や知名度の差はあれど、金城くんだって、彼の日記からも分かるように、ゲームやらFlash やらにのめり込んだら、一日中そればっかりやっているようなヤツなんだよ。

えっと、こうしてパワープレイした音楽は、後になってその時の自分の感情を呼び起こすきっかけになるものだが（ゲーマーにとってのゲーム音楽しかり）、僕がゆくゆくこの栗Ｑのサードアルバムか、あがたさんの「COBALT TARPHONIC」を聴いて思い起こすかもしれない感情が二つある。

ひとつは、

グラフィック・デザイナーへの道　--アンカーポイント3--

デザイン業務の挫折。
この春、精力的に活動する栗ＱのインフォメーションをそろそろDMにして発送しなくてはとデザインに取りかかったのだが、ハガキサイズに収めるにはあまりに情報が多すぎて、CPUの遅い私の脳内デザインマシーンがクラッシュ。今回はノートン先生も使えないようで完全にリタイアすることになってしまった。情報を適度に間引いたりするプラグインが私のマシーンにはインストールされてなかったことが要因と思われる。

もうひとつは、

教壇への訓　4時限目

僕がレッスンをしている教室には体験レッスンという制度がある。読んで字のごとく、正式に入会する前に無料で一回レッスンが体験できるというもの。ＣさんもＴさんもこの体験レッスンを経て入会してくれたのだ。が、しかし、３人目の生徒さんになるかもしれなかったＯＬのＨさんには体験レッスン後、見事に断られた。トホホ。理由は「教室が駅から遠い」というもの。ただし、それが本音かどうかは分からない。ま、こんなことは普通に起こることだろうが、自分には初めてのことだったし、何にせよ、断られるという行為は思春期の僕チンにとってはすごくショックな出来事である。昔、東京に来て間もない頃、アルバイトしていたイタ飯屋をクビになった時もそうだったが、「ひょっとして自分はこの世の中に必要ない人間なのかもしれない」、なんて感傷的になるに充分な出来事だ。

こうやって忙しい時にはいろんなことが起きる。うれしいこと、悲しいこと、笑えること、ムカツクこと…　そんな感情が音楽と結びつく。あがたさんの曲がすごく心に染みいる良い曲だったのは、この２週間の忙しさの中でせめてもの救いだった。

「そして実は地球ではなく、何処か星の世界の夜を歩いているのではないか知ら……」というタルホの詩を聴きながら僕は泣きながらミックスをしていたのでした。

遂に完成、栗Ｑ本！！
その出版を一年半遅らせた主犯格の一人、
デザイナー竹智大先生。

3/8新宿タワーレコード　前説中の寒空はだか氏